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1- レス

【貴族の傲慢】異邦人モリサキ2【傭兵の意地】


[968]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/27(土) 18:35:45 ID:???
「……」
「よう、久しぶり……とでも言おうか? 東洋人」

眼前に相対して初めて、サムが言葉を紡いだ。
やはり森崎のことを忘れてはいないようであった。

「春先にゃ、済まなかったな」
「……」

謝罪とも取れる言葉を口にしながら、男の目はしかし、温度を感じさせない光を宿している。

「弟の礼だってのによ。喧嘩ァ、途中で止まっちまってたもんな。悪ィ、悪ィ」

にやにやと、およそ善人とは対局にあるような笑みを浮かべながら言うサムのすぐ脇で、
ひょう、と手にした棍が回転する。
指先だけで、背丈ほどもある棒を自在に回しているようであった。

「こっちこそ悪いな、最近忘れっぽくてよ……確か、手前ぇを簀巻きにして
 運河に叩ッ込むって話だったか?」

長剣を鞘から抜き放ちつつ、森崎が何気ない風を装って言う。
皮一枚の下には、既に獣が解き放たれる時を今か今かと待っていた。
その顔と言葉とを見たサムは、何を言い返すでもない。
ただ、

「ひゃは」

と、嗤った。


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0ch BBS 2007-01-24