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【覇者の称号】キャプテン森崎44【カンピオーネ】


[134]2 ◆vD5srW.8hU :2012/10/30(火) 11:01:36.13 ID:Q9swV9q6
〜ドイツユース宿舎〜

シュナイダー「…皇帝、か。なんて空しい響きだろう。皇帝と呼ばれるのなら
世界制覇ぐらいしてみせないといけないだろうに、俺はまだ一度もそれを成し遂げていない。
このままでは遠からずこの異名は畏怖ではなく嘲笑の意味が込められる事になるんだろうな…」

ドイツユースのキャプテン、カール・ハインツ・シュナイダーは自室でテレビを見ていた。
番組はベスト4に残ったチームの特集で、各チームの主力選手達は大げさな程にクローズアップされていた。
シュナイダーも当然の如く時間を割かれてその功績と異名を賞賛されていたが、彼は全く嬉しくなどなかった。

ヨーロッパの少年サッカーでタイトルを総なめにした後にドイツ屈指の名門クラブ、バイエルン・ミュンヘンにて僅か15歳でプロデビュー。
そして今ドイツユースのキャプテンとして君臨し、ストライカーとしては2位タイで今大会の得点王を争っている真っ最中。
客観的に見て、光り輝く栄光に満ちた順風満帆な出世街道である。妬み嫉みには全く事欠かない程に。

だが彼の主観ではむしろ空しい程に中途半端だった。彼がナンバー1と認められているのはドイツ国内だけ。
それも同年代の中では、と言うカテゴリー内に過ぎない。ましてや世界の舞台で頂点に立てた事は一度もない。
故に自他共に認める”皇帝”と言う異名は彼の精神力の源であると同時に重苦しい戒めでもあった。

シュナイダー「だが…戦に敗れただけで逃げ出す奴は絶対に皇帝になどなれはしない。
だから俺は何度敗れても立ち上がらないといけない。何時か覇道を成す為に。この覚悟を大言壮語に終わらせない為に」

彼がもう少し謙虚な性格だったらこんな不満と葛藤に苦しまずに済んでいたかも知れない。
「僕はまだまだ皇帝なんて名乗れませんよ」と笑い飛ばせる明るい人物だったら救われていただろう。
だが彼はその異名に相応しい意地と自信の持ち主であり、そうやって自分を楽にしようと言う発想は無かった。

シュナイダー「…独り言だけが慰めな分、孤独さだけは皇帝らしいかもな。他のチームのキャプテンもこうなのだろうか?」

彼は今日も孤軍奮闘する。どれだけ頼もしい味方が背後に居ても、彼は常にたった一人。それが彼の選んだ道である。


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0ch BBS 2007-01-24