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【覇者の称号】キャプテン森崎44【カンピオーネ】


[67]2 ◆vD5srW.8hU :2012/09/15(土) 14:15:53.33 ID:9dxTORDL
〜ブラジルユース宿舎〜

彼は夢を見ていた。これは先日見た夢より更に久しぶりの夢だった。

それは8年前の事。彼がまだサッカーを心から楽しんでいた頃の事だ。
それまで父と二人きりのサッカーしか知らなかった彼はこの時初めてチームに入る事が出来た。
フラメンゴのデンチデレイチである。

初めはとてつもなく楽しかった。大勢の人数でするサッカーはとても新鮮だったし、
それ以上に彼は同年代の誰よりもずば抜けて上手かった為歓迎されたのだ。

だがそれは長く続かなかった。あまりにも上手すぎる事によって彼は特別扱いされ、
孤立し、彼に向けられる感情は媚と敵意の二つしかなくなってしまった。
彼は彼なりにその状況を打開しようとしたが、全ては悪化するばかり。

半年後、耐えられなくなった彼は退団届けを置いて去り…その日の内にカルロス・サンターナと出会った。

見るからに田舎から出てきましたと言わんばかりの格好をしたカルロスは滑稽な程途方に暮れた表情をしていた。
何故声をかけようと思ったのか、今では思い出せない。自分以外にも不幸そうな存在をみつけて嬉しかったのかも知れない。
ただ成り行きで自分のサッカーボールで練習させてやる事になり…何時しかそれはとても楽しい時間になっていた。

カルロスは彼より下手だった。サッカーボールの扱いに慣れていなかったからだ。
そこでコツを教えてやるとあっと言う間に目に見える程上達し、小一時間もすると彼も本気を出してカルロスと競い合っていた。

「記念だ、そのボールはお前にやるよ」上機嫌な彼が言っていた。
「ホントに良いの?高いんじゃない?」カルロスは遠慮がちに受け取った。
「良いよ、まだあるし。それよりもまたやろうぜ」この時の彼はまたカルロスとプレイ出来る事を楽しみにしていた。
「うん、良いよ。俺、カルロス・サンターナ!カルロスって呼んでくれ!」カルロスとチームメイトになれば、あのチームでもやり直せると思っていた。
「俺は…アーサー。本名はちょっと違うけど、アーサーって呼んでいいぜ」だが、その約束が果たされる事はなかった。


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