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【More】キャプテン霧雨92【tenderly】


[224]キャプテン霧雨 ◆2pV1gRdG.o :2012/10/06(土) 21:20:28 ID:???
昔に戻ったかのようにぐずり泣く魔理沙に、魅魔の言葉は優しかった。
涙が止まらなくなる。情けない姿は、見せたくないのに。

魔理沙「うんっ……」

魅魔「なら、胸を張りな。
    あんたは負けたけど、失いたくないものは失わずに済んだ。
    勝利よりも大事なものを守ることが出来たんだ。なら、100点満点だ」

背を向けてはいるが、声色は確かに笑っていた。
魔理沙がその意志のままに戦ったことを、喜んでいた。

魅魔「私はね、魔理沙。外の世界でのあんたの話を聞いて後悔したんだ。
    私が『勝つサッカー』なんてものを教えたから、魔理沙がそうなってしまったんじゃないかと。
    相手を犠牲にしてでも勝利を掴む選手になってしまったと。
    そうしたくなかったから、あたしはお前の前から姿を消したってのにね」

魔理沙「違う…っ!魅魔様のせいなんかじゃないっ!
     私のせい以外のなんだってんだよ!」

魅魔「……いいや。あたしのせいだよ。
    だって、あたしが知ってるのは『サッカーの楽しさ』なんかじゃなくて『サッカーで勝つ楽しさ』だけだからね。
    そのあたしが教えてたんじゃ、血迷うのも仕方がないってもんさ。
    これはあんたには言いたくなかったけど、あたしはね魔理沙」

そこで一息切って、魅魔は続ける。

魅魔「あんたが躊躇うような場面でも迷わず勝利のために壊しに行く。
    幽香や幻月のような選手だったのさ。だった、じゃないな。
    私は、そういう選手なんだよ。だからお前には同じ道を歩ませたくはなかった。
    私の『勝つサッカー』なんて、受け継いで欲しくはなかった」


0ch BBS 2007-01-24