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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[230]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/02/07(木) 14:12:47 ID:???
***

A「ヤング隊長が死んだのは、お前のせいか」


「そうだ」

沈黙が、あるいは否定が返ってくるものだと思っていた。
そう返してほしいと、願っていた。
しかしトニーニョの即答は明快にして一徹。
眉間に皺を刻み、渋面に灰色の眼差しは険しく、しかし声音には迷いなく言い切られたそれを、
森崎は僅かな憤りと共に受け止める。

「まだ、そんなことを……!」
「時が経とうと、事実は変わらん。ヤング・マジョラムは死んだ。隊の多くも。
 そうして副長を拝命していた俺がこうして生き延びている」

それはつまり、眼前の坊主頭が実のところ、あの夏の日の鞍上から何一つとして変われていないという証左だった。
同じ場所をぐるぐると巡るばかりで一歩も進んでいない。
何をしている、という歯がゆさと、何をさせている、という自己嫌悪。
綯い交ぜになった熱を抱えて、森崎は間合いを詰める。
目には見えぬ、しかし触れれば肌を焦がす熱に気圧されたか、対するトニーニョが、じり、と退いた。

「あのとき、あのいくさ場で、お前に……いや、俺たちに何ができた!」
「……何かだ。悲劇へと至らぬ何かだ」
「答えになってねえよ、馬鹿野郎!」

絞り出すように告げたトニーニョに怒鳴り返して、更に一歩。

「お前が、俺が、今こうしてここにいる! それがお前の後悔か!? 俺も生きてちゃいけなかったか!」
「それは……」
「そんな答えも出せねえくせに……っ!」


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