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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[243]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/03/16(土) 11:07:00 ID:???

「おいおいおい、何つー広さだよ! てか俺ら、今どこにいるんだ!?」
『うわー……話には聞いてたけど、実際に入ってみるとスゴイねえ……』

スタジアムに入るやいなや思わず声を上げた森崎を、しかし殊更に咎める者はいない。
周囲の半分は森崎と同じように目を丸くしていたし、残りの半分はそんな彼らをにやにやと見守っている。
この反応そのものが、つまりは一つの名物なのだろう。
無理もない、と言えた。
巨大な楕円を描くフィールドとトラックを取り囲み、半ばまでが観客で埋まっているすり鉢状の客席は
文字通りの見渡す限り、どこまでもどこまでも続いているようにすら思える。
果てしなく広い石造りの白は晩秋の陽光を照り返して目を晦ませ、しかし見下ろせば遥か眼下にあるはずの
フィールドの赤土色は圧倒的な存在感をもって迫ってくるように感じられるのだった。
行き交う人、席を埋める人、そしてフィールドで汗を流し戦う者たち。
それらの声と喧騒、思い思いの歌や歓声や、人の生きる音と熱とがその空間に籠り、反響していた。
空を切り取る無数の飾り柱はまるで檻のようにその音を閉じ込め、森崎の耳朶に終わりなく捻り入れようとする。

「すげえ! うるせえ! でけえ! くそ……すげえな!」

音に負けじと叫び返すような森崎の口元は、知らず笑んでいる。

『収容人数、一万二千人だってさ』
「いちまんにせん!? 軍が丸ごと入るじゃねえか! 何考えてこんなモン作ったんだ!?」
『決まってるじゃない』
「あ?」

ふわりと舞ったピコが、はぐれることのないように森崎の耳元に降り立つと言う。

『今日、この日のためだよ!』
「……だな!」


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