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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[269]異邦人 ◆ALIENo70zA :2013/04/29(月) 12:00:15 ID:???

「やっぱ去年の優勝者は違うな……別格の走りってやつだ」
「ほうじゃのう、ワシら傭兵隊の男どもの中に入ってもええ勝負になるゆうがは大したもんぜよ」
「……」

ネイとカルツが褒めるのは予選五組に出場したタルデッリという名の選手である。
事前の予習を欠かさなかったネイによれば、彼女は昨年度大会の優勝者であるという。
その実績に違わぬ見事なレース運びで、ここまでの予選を通じて圧倒的なタイムを残している。

「ん? どうしたモリサキ、微妙な顔して」
「いや……なんでもねえ」

言った森崎の脳裏を過ぎるのは、疾走する二つの影である。
ひとつは、ハンナ。
彼女の走りは、練習を見た限りでは今のトップ選手にも殆ど遜色ない。
森崎のアドバイスによって改善された部分も含めれば、八割方の勝利は望めるだろう。
しかし、と。
森崎は思う。
もう一つの影は、次元が違う。
そのことを、改めて思い知らされていたのである。
リンダ・ザクロイドの速さは、昨年度の優勝者ですら一蹴する。
それほどの差が、あった。

『何考えてるかはわかるけどさ……勝負は時の運っていうじゃない。キミにできるのは精一杯応援するくらいだよ』
「……かもな」

小さく頷いた森崎の声は、周囲の歓声にかき消されてネイやカルツには届かなかったようだった。


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