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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[26]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/10/30(火) 18:55:08 ID:???
「戦災に巻き込まれた哀れな難民でござい、なんてお題目で俺たちの街に巣を作りやがった。
まず掠め取られたのは物乞い共の縄張りとガキの遊び場よ。
雨風をしのいだ連中が次に掻っ攫ったのが、仕事さ」
棍の先は森崎の目から喉を辿り、八の字を描くように胴を嘗め回しながら揺れる。
「俺らじゃあ食うにも困るような安いカネで請負仕事を端から持って行きやがった。
野菜くずと腐れ肉で生きてるような奴らさ。台帳に乗らねえ連中には取り立てられる税もねえ」
「……何が言いてえんだ」
ぼそりと漏らした森崎に、サムがくつくつと嗤う。
「仕事もなく呑んだくれる親父に弟の薬代……俺も兄貴も、そりゃあ苦労したって話よ」
「恨み言なら神父にでも聞いてもらいな」
「お前さんに聞かせてるんだよ、東洋人。何せお前らはボルキア人どもに輪をかけてタチが悪い」
「……あァ? 言いがかりも大概にしろよ、蛇野郎」
薄い唇をねらりと舐めて湿らせたサムの言葉に、森崎が刹那、対峙も忘れて胡乱げな顔をする。
「俺以外の東洋人なんざ、街中にゃ殆ど見かけねえぞ」
実際、森崎がこのドルファンでしっかりと認識したのは陽子くらいのものであった。
港湾に足を伸ばせばちらほらと黒い髪の男たちもいるにはいたが、ドルファンは中継港である。
長居することもない彼らが、安い歓楽街のあるシーエアー地区を越えてくることは極めて珍しい。
「ひゃは、そいつぁお前……」
ゆらゆらと揺れる棍の狙いが、森崎の膝から足元へと降り、また這いずるように登ってくる。
「随分と、この街の明るい方ばかり歩いてると見える。流れの傭兵とも思えねえ」
「……どういう意味だ」
「裏町の路地をちょいと曲がりゃあ、すぐに分かることさ」
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0ch BBS 2007-01-24