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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[27]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/10/30(火) 18:56:09 ID:???
森崎が慎重に問うのへ直接は答えようとせず、サムが薄笑いを浮かべた。
楽しげな色のどこにも見えぬ、凄惨な笑みだった。
「そりゃあ、俺らだってヤクは扱ってるさ。けどな、仕切るのはアルビア廻りの極上品よ。
そいつを軍の馴染みや金持ちの旦那方にちぃーっとずつ卸してただけでな。
くたばったお袋の麦粥にかけて、見境なく広めるような真似はしてこなかったんだぜ。
……だが、よ」
ふしる、とタイミングの測りづらい呼吸は、やはりのっぺりと冷たい長虫を思い起こさせる。
「お前ら東洋人が持ち込んだのは、ありゃ何だ。半年保たずにアタマがイカれるようなシャブ、
あんなもん悪魔だって扱わねえ。そいつをシベリアのアカどもと組んで、船一杯仕入れてきちゃよ。
よりにもよってガキども相手にバラ撒きやがるだ? ひゃは、お前ら血の代わりに何が流れてんだ」
粘質の饒舌は、しかし森崎の耳にしか届かない。
怒号のような歓声が、睨み合う二人を押し包んでいる。
少し離れて立つ審判役の男にすら、その声は聞こえていないだろう。
「安いシャブだ、ガキは売女と楽しむだろうさ。染まった女どもは客に勧める。港やヤマの人足だ」
「……」
「目抜き通りはあと何年もしねえ内にシャブ漬けで溢れるだろうぜ。
行きずりのガイジンには知ったことじゃあねえだろうがよ……腐れ外道が」
吐き捨てたサムに、森崎がしばしの沈黙の後、ぼそりと応える。
「……知らねえよ、実際」
言葉と共に踏み出すのには、苛立ちの色も濃い。
まるであずかり知らぬ事柄で責め立てられたところで、返す言葉も思うところもありはしなかった。
一歩目、止まらず二歩、三歩を詰める。
「ダラダラネチネチ、ワケのわかんねえこと言いやがって……!」
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