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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[28]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/10/30(火) 18:57:11 ID:???
剣は下段、円盾を高く翳しての接近である。
正中線上の急所を庇いつつ間合いを潰す狙いは、サムにとて明らかなことは承知の上だった。
案の定、サムの迎撃は向かって左、盾側に回りつつ森崎の胴を真横に薙ぐ打ち払い。
円の縁を沿うように回ることで距離を確保しながら己が体を軸に遠心力で痛撃を齎さんとする、
淀みのない体捌きである。
厳しい鍛錬によって躰に染みついた、半ば無意識の洗練された動きだっただろうか。
が、その挙動は洗練されていたが故に、いささか淀みがなさすぎた。

「喧嘩だ、つったのはお前だろうが……!」
「!?」

森崎が翳した円盾は、棍の一撃を防ぐためのそれではない。
サムの体捌き、迎撃の軌道を読みきった森崎が選んだのは、盾による打撃であった。
相対するサム自身が踏み込むよりも更に一瞬早くその進行方向へ飛び出した森崎が、
腕ごと円盾を振りぬく。
重い衝撃は、二つ。

「ぐ……!」
「がぁ……ッ!」

腕に伝わる、盾の向こうのサムの顔面がひしゃげる感覚。
そして、サムの振るった棍が相討ちで森崎の胸を横から叩いた、その衝撃である。
互い、ほぼ同時の打撃。
しかし連打へと至ったのは、森崎であった。
予め読んでいた間合いの差である。
サムの打撃は、森崎が先ほどまで立っていた位置を薙ぐのに最適化されている。
想定外に距離を潰した森崎を打ったのは、棍の根本であった。
故に、骨を砕き臓腑を潰すには至らぬ程度には、軽い。


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