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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[46]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/11/01(木) 19:56:41 ID:???
「その、ぼ、僕はセサの生まれなんです」
「セサ……ああ、トルキアの端っこにある」
「は、はい、そのセサ公国です」
セサ公国。
古トルキア帝国末期、帝国の大貴族であった某公爵が所領の独立を認められた国家である。
面積はドルファン王国の半分程度。
トルキア半島の北西端に位置する、小国家であった。
「セサは、その、土地が良くないですし、対岸のイングランドに睨まれてちゃんとした港もないですから、
えっと……つまり、すごく貧しい国なんです」
「あー……ま、わかるぜ」
遠い故郷を一瞬だけ思い出して、森崎が頷く。
産業がなく、交易の拠点ともなれない土地は、必然貧しい。
「それに、その、独立したっていっても、今でもトルキア……ヴァン=トルキアの下にいるようなもので、
税も高いですし、僕の家も暮らし向きは、全然楽じゃなくって」
「おいおい、独立なんざ百年以上も前の昔話だろうよ。まだ影響が残ってるってのか?」
「はい……」
首肯したカイルの顔には笑みが浮かんでいる。
楽しげな笑みではない。
眉尻を下げ、口角だけを上げた、困ったような表情。
それは、諦念である。
泣いても喚いても変わらぬ、厳然たる現実を前にして諦念という鎖に縛り上げられた心の、
人の内側から滲み出すような、顔であった。
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0ch BBS 2007-01-24