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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[55]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/01(木) 20:11:28 ID:???
「……じゃあ、どうして俺の名前を」
「用があって捜してたんだよ。っと、勘違いすんじゃねえぞ」
「……?」
「用があるのはオレじゃない。……あっちだ」

すげなく言った女性が、す、と滑るように歩むと、馬車の扉に正対する。

「お嬢さん、間違いないみたいだぜ」

声は、馬車の中にかけられたものである。
僅かな間を置いて、くぐもった声が返ってくる。

「……そう。開けなさい」
「へいよ、っと」

気の入らぬ声音とは裏腹に、馬車の扉を開けようとする女性の仕草は洗練されている。
隙がない、と言い換えるのが正しいのかもしれない。
背後を取られたのに気づけなかったことを思い出し、渋面を作る森崎の目の前で
軋みひとつ立てずに扉が開いていく。
純白の扉の中は落ち着いた赤を基調とした布張りである。
垂れ下がる壁掛けの複雑な文様、美しい茜色は更紗だろうか。

「―――」

その、小さな赤い世界を睥睨するように座る女がいる。
纏うのは蒼。
どこか、ソフィアやハンナの通う学園の制服を思い起こさせる意匠である。
見慣れぬ仕立てだが、ゆったりと身体を包みながらもその動作を阻害しないよう
細心の注意が払われた、いかにも一品物といった完成度の高さがそこにあった。
膝丈のスカートの下から伸びる足の白さに森崎の目が釘付けになったのは、馬車の車高で
ちょうど目線の正面近くになったからばかりではあるまい。
少女の、脚である。


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