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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[64]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/06(火) 19:09:02 ID:???
「あの娘、貴方の言葉を真に受けてそればかり練習してましてよ。
 毎日毎日、体力任せの追い込みばかりで技術を磨く気配もありません」

言葉にするうち苛立ちが増してきたのか、リンダの声音は次第に厳しいものになっていく。

「飾らずに言いますわ―――あのままでは、わたくしと勝負になりませんの」

傲然とすら呼べる言葉を、しかしリンダ・ザクロイドという少女は一片の迷いも驕りもなく言い放つ。
彼女の口から出るとき、それは単なる事実なのであろう。
そんな風に、耳にした者すべてに思わせる響きがあった。

「歯がゆくてよ、ユーゾー・モリサキ」

しかしまた同時に少女の目は、そんな事実の存在を許せぬとばかりに激しい炎を宿している。
ぎり、と手にした扇の骨が軋む音が聞こえた。

「わたくしは、わたくしを超えようとするものにその全力を要求します。
 そうでなければならないと、わたくしはこの世の条理を差配しますわ、モリサキ」

リンダの瞳は、その名を呼びながらも既に森崎を見てはいない。
その目から燃え上がった炎が銀色の髪を伝い白い喉を焼いて漏れいづるような、それは言葉である。
少女が、ついには赤い布張りの椅子から腰を浮かしかけたとき。

「お嬢」

短く声をかけたのは、それまでじっと馬車の扉の脇に立っていた黒服の女性である。
効果は覿面だった。

「……失礼、つい取り乱してしまいましたわ」


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