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1- レス

【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】


[70]異邦人 ◆ALIENo70zA :2012/11/09(金) 19:59:40 ID:???
***

B「気にはかけておくさ」 やや肯定的に答える。


明言も確約もする気はないと言下に匂わせながら、さりとて正面から否定することもしない。
我ながら煮え切らぬ態度だ、と内心で苦笑する森崎の、しかしそれは偽りなく本心に近い。
自分には専門的な技術も知識もない、何よりそれに割ける時間がない。
しかしハンナのことを頭から無視することもまた、できなかった。
できる限りのことはしてやりたいと思うが、できることはもうやってしまったと、森崎は考えている。
それはつまり、後は遠くから見守るだけということに等しい。

「……」

すわ激昂するかと見上げた馬車の中の少女は、しかし意外にも静かに森崎を見ていた。
手にした扇が、二度、三度と開かれては閉じる。
絹の擦れる微かな音が、爽やかな朝の空気に混じってひどく長閑に響いた。
四度目に開いた扇で口元を隠して、リンダがようやく声を出す。

「貴方は、傭兵でしたわね」
「ああ、俺は傭兵でね」
「わかりましたわ」

短いやり取りは、しかし必要十分な重みをもって双方を首肯させた。

「時間を取らせてしまいましたわね」
「この程度なら構わんさ。半日がかりで練習に付き合わされたわけじゃねえ」


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0ch BBS 2007-01-24