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【新隊長】異邦人モリサキ3【始動】
[85]異邦人 ◆ALIENo70zA
:2012/11/10(土) 13:17:23 ID:???
「なまじ頭が回りすぎるんだな。だから二手、三手先だけ見て話をしちまう。
次の手を選ぶ余地がねえなら、口にする意味もねえとか考えてんだ」
「……」
がたん、と車体が揺れた。
前を行く馬、アトレとスオウはぶるりと尻を振るのみで、特に気にした風もない。
「あのお嬢さん、困ったことに相手もそれができて当たり前だと思っててな」
「難しいだろうな」
「難しいよ。だが前置きも説明も斟酌もねえ。先回りして次の選択肢だけ相手に放り投げる悪い癖が、
いくら言っても治らねえ。お嬢にとっちゃチェスか何かと同じ括りなんだ、相手と話すってのは」
「……そりゃもう、会話じゃねーだろ」
「じゃねえな、実際」
苦い笑みが、声音にまで滲んでいる。
「お前もこの間、無茶な頼みごとを押し付けられたと思っただろ。勝手なこと言いやがって、とか」
「まあな」
「お嬢としちゃな、ありゃ交渉のテーブルを用意したつもりなんだ」
「……はァ?」
さすがに看過できず、疑念を漏らす森崎。
先日の一件は指示や命令、強要の類ではあっても交渉と呼べるものではないと、記憶が告げていた。
ジーンがちらりと森崎を見て、薄い唇を歪める。
「まあ、言いたいことはわかるぜ。……つーか、いつものことだからな」
「……」
「お嬢……いや、ザクロイドの人間が生きてるのは、打算と腹芸と算盤勘定が服着て歩いて、
年がら年中互いの足を引っ張り合ってるような世界でよ」
冷たい風は、歩くよりも強く森崎の顔に吹き付ける。
肩に伝わる微かな温もりだけが、救いだった。
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0ch BBS 2007-01-24