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キャプテン森崎外伝スレ11
[407]森崎名無しさん:2013/03/17(日) 12:13:19 ID:???
――夜が降りてくる。
立春は過ぎたとは言え、冬の寒さは消える事なく残り、刺すような風が「彼女」の白く光る頬に当たる。
真冬の夜風を浴びるその女性は身に藍と白を基調とした法衣を身に纏い、金色の髪には白のフード。
整った顔立ちは氷のように冷たく、冷静というよりは、機械に近い印象すら感じる。
そして、彼女のもっとも「人外」たらしめる要素として、その背後には、髪の毛と同じ色の豊かな金の九尾が光っていた。
ギイ、と歴史を感じさせる音を鳴らし、古屋敷の引き戸を開ける。その内部には、外にある以上の夜が広がっていた。
?「紫様、起きていらっしゃいますか?」
彼女が夜に声をかける。そこからしばらく、主からの返事がないことを知ると、
屋敷にゆっくりと足を踏み入れ、主の部屋に直接赴くことにする。しかし、
彼女が広い屋敷の廊下を歩きだして数刻。
紫「……遅かったわね、藍」
主は、気まぐれにその姿を現した。
藍「…申し訳ございません、紫様」
彼女――藍と呼ばれた女性は、頭をさげつつ、主である少女を見て、意地悪な御方だ、と思う。
藍が声をかけるまでもなく、屋敷に入ることもなく、この方は自分の来訪を知っていたのだ。
そして、自分にとって気の利かないタイミングで現れる。
この少女は人のペースを崩すこと、そして相手を自分のペースに乗せることが大好きで、
いつもそのためにはどうすべきかを考えているのだ。そうに違いない。
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0ch BBS 2007-01-24