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【主人公】鈴仙奮闘記【永琳に交代?!】


[473]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/03/29(金) 19:00:06 ID:???
鈴仙はその話を聞き、純粋に凄いと思った。それは、中山を支える精神の強さにもあるが、
何よりも――。

鈴仙「凡才が、天才に勝った――? そんなことがあり得るの?」

中山「いや、普通はありえない。――それだけ、持って生まれた才能とか、
運命とかは強い存在なのだと、俺は思う。だからこそ、俺もまたあいつの様に運命に逆らってみたい」

運命に逆らえるまでの強靭さ。そんなものが存在するのかと鈴仙は思った。
でも、彼の話を聞くうちに、自分に足りないものが見えたような気もした鈴仙は、
いつしかその言葉に酔っていた。

幻想郷では、生まれとか、種族による差が、外界よりもはっきりしていると言っても良いだろう。
人間は妖怪を恐れ、妖精は儚く、鬼や吸血鬼が多くの下級妖怪を圧倒し、天才である博麗の巫女には、
どれだけ努力をしても、誰一人として勝利することはできない。
それは月の都でも同じであり、鈴仙をはじめとする多くの人妖は、生まれついた時点で自分の才能に
見切りをつけ、その種族としてふさわしい生き方を選び、一生を終えて行く。(例外も多く居るが)

中山、そして『中山の親友』にはそうした『諦め』というものが無かったのか。
鈴仙には、それがとても眩しく思えたのだ。

鈴仙「(私でも――。がんばれば、師匠に並べる。私も、もし中山君や、その友人のように運命すら狂わせる力が
あれば――。ううん、そんな力をこれから身につけることができれば――でも、そんなこと、できるのかなあ。
常識的に考えて、無理に決まってるわ…)」

鈴仙の感情はそれを信じつつも、理性がそれを阻む。
そんな事は夢想にすぎないのだと。仮にそれを叶えようとすれば、
自分に多くの苦痛と困難が待ち受けているであろうと言うことを。


0ch BBS 2007-01-24