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【変わり行く】鈴仙奮闘記3【者たち】


[143]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/04/24(水) 23:46:39 ID:???
鈴仙「こ…これならどう!?」

バッ! ババッ!!

中山「(ぐっ…! 見えん!? 昔の俺ならば、この程度。見えていた筈だぞ!)」

鈴仙のドリブルに対してなかなかタックルに行けない中山。
――中山もまた、苦しんでいた。
幻想郷に来て、再びサッカーを始められたというのに、自分の動きには、
未だ無駄が多い。それを頭で理解していても、身体が追いつかない。
鈴仙を叱咤激励している自分もまた、鈴仙と同じ焦りに囚われていた。

――二人の特訓は、苦しいものとなった。

自分を閉じ込めていた筈の壁。それを突き破ったつもりが、
また新たな壁に取り囲まれたような。
…この壁を再び壊そうと思えるのか。それとも、どうせ壁を壊しても無意味と悟り、
その枠の中で一生を終えようとするのか。

中山「(技術は身につかなかったが。…俺は、心を身に付けた。如何な『理不尽』にも耐えうる心を。
――まだまだ不完全だが)」

中山は、紛れもない前者の人間であったが。

鈴仙「(…このまま、そこそこの選手で、妖精とか里の人間相手に活躍できるんなら、
もうそれでもいいのかなあ…。師匠だって、それで怒んないと思うし。
――って、私のバカ! また昔の私に戻ってるじゃない!バカバカバカ…ううっ、苦しいよお)」

鈴仙が前者の妖怪となるには、まだまだ様々な努力や出会いが必要なのかもしれない。


0ch BBS 2007-01-24