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【変わり行く】鈴仙奮闘記3【者たち】


[870]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/05/10(金) 21:16:31 ID:???
A:穣子の願いを聞いて、穣子のみ前半のみ出場にしてあげる。

穣子「…え!? い、いいの?」

穣子は、本当に心底驚いている様子だった。

静葉「…言ってしまえば何だけど。こんな木端神様である私達の
都合を考えてくれるなんて。正直、気が触れているか、何か悪意があるからとしか
考えられないわ…。そもそも、私達を勧誘する暇があるくらいなら、他に強力な妖怪や人間を
勧誘するのが効率的な筈なのに…」

静葉の感想は、いつものような被害妄想によるものではなく、
純粋かつ的確なものであった。…彼女達のような力の弱い神は、
多くの強力な神や妖怪に見下されるのが当然。
――彼女達もまた、幻想郷の残酷なルールの被害者だった。

穣子「――でも、きっと鈴仙は、ただ単純に『善意』で言ってくれるんだよね。
だって。そうじゃなきゃ、説明できないよ。こんな私達にここまで優しくしてくれるなんて…!」

鈴仙「(…正直めんどくさいから、ってのが本音だったんだけど)」

穣子のキラキラとした瞳から僅かに目をそらし、自問自答する。
……鈴仙は、何よりも規律を重んずる玉兎の軍の一員。そして綿月家のペットとして
育ったためか、常識や良識、礼儀の良さについては幻想郷の中ではかなり高い水準を持つ。
…だが、その一方で、集団の規律や圧倒的な上司の存在が、怠惰な「事無かれ」精神を
育んでしまったのは否めなかった。叱られるリスクを蹴ってまで、現状を変える気力が無かった。
今だって、正直、「面倒くさい秋姉妹の言う事を聞いた方が、それを断るよりは楽だ」という気持ちが
大きかった。――大きかった、と思っていたのだが…。

鈴仙「(…本当にそうなのかな……?)」

鈴仙の他者への気持ちもまた、最近の奮闘を機に、少しずつ変わりつつあるのかもしれない。


0ch BBS 2007-01-24