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【皇帝は】キャプテン森崎45【王国に挑む】
[127]代理です。:2013/07/24(水) 01:02:50.35 ID:kUqNeK9l
ヘルナンデス「(なんだこれは)」
最初にヘルナンデスが感じたのは痛みだった。彼の基準ではそれなりに速いがそれだけの筈のシュートを
ワンハンドキャッチした彼の右手にヒビが入る様な痛みが走り、それが右腕全体に広がっていく。
次に右腕全体が鉛の様に重くなり、それに呼び寄せられたかの様にどんどん全身が悲鳴を上げ始めた。
ヘルナンデス「(さっきまでこんなことなかったのに)」
僅か3分前にちゃんと給水した筈なのに、口も喉も砂漠を彷徨っているかと思う程カラカラに感じる。
肺は底が抜けたのかと疑いたくなる程際限なく酸素を要求し、心臓が弾けそうに高鳴っている。
補助的にしか使っていない筈の左腕まで肩から力なくぶらさがり、右腕を助ける余力など何処にもない。
腰と膝が度重なる瞬発力の徴収に錆びた歯車の様に軋み、脚はもう立っていたくないと泣き叫ぶ有様。
ヘルナンデス「(おれのからだどうなって)」
こんな状態でも本能的にスローイングを行い素早くボールをアルシオンに戻せたのはむしろ不幸だったかも知れない。
やるべき事はやったのだが、それを体に命じた覚えがない為に自分の体の異常に対する恐怖を倍増させた。
ヘルナンデス「(せかいがしろいおとがきこえない)」
酷使している右腕への激痛は覚悟していた。諸々の異常は一つ一つ冷静に考えればただの過労でしかない。
だがゴールキーパー故に倒れる程疲労した経験の無いヘルナンデスがこれ程までに神経を削られた状況で
それに気付ける筈がなく、体力の欠如を補う為の精神力ですら敵に回ってしまった。
結果として特に支障がない筈の五感まで些細な異常を肥大化して捉え、彼の意識は不安定になった。
視界があやふやになり、騒がしい筈の競技場が妙に静かに感じる。
ヘルナンデス「(…いや、大丈夫だ。大丈夫…大丈夫…)」
無論そんな状態が長続きする訳もなく数秒もしない内に彼の五感は正常化したが、
その臨死体験の様な僅かな時間はとっくに張りつめていた彼の神経を更にいたぶったのは言うまでもない。
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0ch BBS 2007-01-24