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【皇帝は】キャプテン森崎45【王国に挑む】
[225]代理です。:2013/09/05(木) 13:44:22.22 ID:jHcZIjFr
強敵との決戦に備えるブラジルユースとドイツユース。この2チームの間には一つ決定的な差があった。
それはチームが一枚岩であるか否かである。
事情を知らない者ならドイツユースの方が内紛の危険性が高いと考えるだろう。
西ドイツと東ドイツと言う二つに分かれていた国が数十年の時を経て融合を試みている今、
西側と東側には経済格差を始めとする様々な問題が発生していた。
2つのサッカーチームを融合させる事もまた問題が発生して当然であり、実際に発生しかけていた。
しかしドイツユースはこの問題をいち早くクリアしていた。
個人個人の思惑はどうあれど全員が新生ドイツの栄光を望んでいるのに違いはなく、
それを西ドイツ側の若手のカリスマであるシュナイダーがスパルタ式に統率し、
更に東ドイツ側の若手で最大の実力者であるフライハイトがそのシュナイダーの
参謀役を買って出た事で西側と東側の融合はほぼ理想的に進んでいたのである。
ポブルセンとミューラーと言う問題児たちも居たが、彼らの問題行動は西東の件とは
関係がない本人の資質のせいだった為むしろ西東の件を意識させない効果すらあったかも知れない。
本当に問題があったのはブラジルユースの方であり、それはコインブラの存在だった。
南米には半ば都市伝説扱いされている、知る人ぞ知るアマチュア選手が存在する。
“勝負請負人A(エース)”と言う冗談の様な名称で知られ、
生半可なプロ選手をはるかに凌ぐ実力を持ってアマチュアサッカーの賭け試合に介入して
金を稼ぐ謎の達人と言う名称以上に冗談にしか聞こえない選手。
その正体こそアルツール・アンチネス・コインブラその人である。
彼はロベルト本郷の誘いによりブラジルユースに加入し、他者を圧倒する実力をみせつけ10番を着る資格を得た。
しかし試合には一切出場せず、内外から様々な憶測を呼びながらベンチに座り続けている。
その存在は本来一つにまとまっている筈のブラジルユース内の巨大な異物であり続けた。
決勝戦への最後の椅子争いを明日に控えた前夜、ブラジルユースキャプテンのカルロス・サンターナはついに動いた。
コインブラの真意を確かめ、彼がチームにとって何なのかを見極める為に。
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0ch BBS 2007-01-24