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【真っ直ぐに】鈴仙奮闘記6【突き進め】


[918]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/07/16(火) 23:06:36 ID:???
――――――ガッシャアアアアアアアアアン!!

紫「――下らない」

……そんなシーンが映し出された頃合いに、世界は壊れた。
――正確には、その瞳に映し出された映像であるが。

八雲紫はここ最近、自身の為に作られた空間――スキマの中に閉じこもっていた。
そして幻想郷中にばら撒かれた、自らの五感である変容の眼を通し、外来人の様子を観察していたのだった。

紫「……努力で、才能を超える? ――そんな事、出来る筈がありませんわ。
出来るのは、才能があると自惚れた愚か者――あの猫のような――を成敗できるだけ」

彼女は自らの計画を遂行させるに辺り、当初は中山達をあまりに軽視しすぎた。
外来人が数名。それも世代No.1でも何でも無い選手が入りこんでようとも。
否、No.1が入り込んでこようとも。それは脅威ではないと紫は確信していたからである。
その証拠に、外界の大企業の長であり、彼らの世代では世界トップクラスのストライカーが幻想郷に侵入して来た時も、
結局は一瞬の旋風しか巻き起こせずに敗れ去ってしまった。

だが、その一件は結果こそ同じであれど、紫にとっては意外な結末でもあった。
なぜなら……彼らを打ち倒したのは、博麗の巫女でもなければ、吸血鬼でも鬼でも無く。
幻想郷の中ではごく平凡な力を持った妖怪が、キャプテンとして団結したチームであったからである。

紫「(霊夢を際立たせるためのエキストラ……を際立たせる為のエキストラ如きが、まさかあそこまでやるとは)」

粉々に砕け散ったガラスの瞳を拾い上げ――その向こうにまだ映し出せている少年の姿を紫は憎々しげに眺める。

紫「貴方のおかげね、中山政男。 私の恐れる『特異点』に最も近い少年」

中山の存在は、紫にとって完全イレギュラーだった。そしてこの聡明な彼女が見落とすまで、地味であったが。
与えられた運命に立ち向かい、自分自身の道を切り開いていくというある種『幻想郷らしく』ない彼の生き方は、
彼を中心にじわりじわりと広がっていき――いつの間にか紫の足元にまで広がっていた。


0ch BBS 2007-01-24