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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】


[183]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/15(火) 23:23:05 ID:yIe2MA1A
―――と、彼女の営業スキルの高さと、そのさりげない気配りの上手さに一種の絶望感を覚える。

鈴仙「(だって無理でしょう…! お誕生日覚えるとか……! 守矢の祟り神様か、あんたはっ……!
そしてプレゼント……? 何それ……? びっくり箱……?)」

しかし、ウサギBの高いスキルを妬む一方で。
――思えば、自分の行う薬売りには『コミュニケーション』が無かったと感じる鈴仙。
元々人見知りで、薬を売る際にも最低限度の会話しかしてこなかった鈴仙。

鈴仙「(駄目なのよ、鈴仙…! やっぱり、世の中コミュニケーションが出来る奴が勝つのよ!
私も気配り出来なくちゃいけないのよ!!)」

そうして、鈴仙はほんのちょっぴりの気配りを魅せて、出来る女アピールをする事を決意する。
それが最終的には大勝利に繋がると信じて……。

――しかし、現実は厳しい。

鈴仙「あっ、お兄さん! 疲れてるでしょ! ビールどうぞっ!(ニコッ)」

若者「何で大工が昼から酒を飲まなきゃいけないんだよ!」


鈴仙「お爺さん! 荷物お持ちします!」ダッ!

老人「ああ、いや別に――」

鈴仙「大丈夫、お安いご用です! (ゴツン)……って、みぎゃあああ!!」

ゴロゴロゴロ! バリーン!

老人「あああ、ばあさんの形見の壺がぁ……!?」


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