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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】


[43]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/12(土) 01:21:23 ID:???
超モリサキ「バーカ」

悪態を付きながら、ニヤリと笑う。
中山は一瞬、超モリサキのその余裕の意味が理解できなかったが。
その意味は、コンマ数秒後に嫌でも理解させられた。

フワッ……ククッ! ――ポムッ…!

超モリサキ「へへへ、わりいな中山。 俺だって、あれから成長したんだ。 ――――お前と違って、な」

――超モリサキの放ったヒールリフトは、中学生の時の試合に比べて大きく進歩していた。
弾道を低くした代わりに強烈なスピンがかかったそれは、中山の脚をすり抜けて、
斜め前で待機していた森崎の脚元にスッポリと埋まる。

中山「(今までの俺は……間違えていたのか?)」

そして追い打ちを掛けるように、森崎の言葉が、中山に厳しい現実を突き立てる。

中山「(俺は――森崎に並び立つプレーヤーになろうと。 そして、過去の栄光を取り戻そうと
努力していた。 それは……間違った目標だったのか?)」

つい1年前はほぼ互角だった超モリサキと中山の間に生まれた、深く大きな溝。
中山が過去の栄光に縋りつく間も、超モリサキは未来の栄光へと己を磨いていた。
その差が、単なるブランクに留まらぬ、選手としての『何か』に大きな差を付けていたと言う事に、
中山は―――嫌でも思い知らされるのだった。


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0ch BBS 2007-01-24