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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】


[567]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/10/30(水) 23:14:05 ID:z+4wDAcw
そして……夕刻も残り僅か。
赤い夕陽が人里外れの草原を焼き尽くす中、鈴仙と中山はゆっくりと歩いていた。
中心部に何も無いとなると、もはや歩いていないのはここしかない。
それに妖怪も出没しやすいここならば、また別の手掛かりがあるかもしれない。

鈴仙「はぁ…。 やっぱり何も無かったわね…。 そろそろ帰ろうかしら…」

中山「うーむ。 そうしようか…」

しかし、それでも手掛かりは何も無い。
このまま竹林に入って帰ろうか――鈴仙達がそう思いかけていた時。

永琳「あら…。 こんな所に居たのね、鈴仙」

鈴仙「しっ……師匠!?」

竹林の方から歩いてくる、背の高い人影。
その見覚えのあるシルエットは、やはり――永琳だった。

永琳「…全く。 どこをほっつき歩いてたのかは知らないけど、もうすぐ門限じゃないの。
聴衆なんて集めて人気取りだか何だか知らないけれど、
あんたはそれよりも、看護師として色々仕事があるでしょうが。
さっさと今日は引き揚げて来なさいな。姫様がご飯作って待ってるわよ」

はあ、とため息をつきながら肩をすくめて鈴仙を睨む永琳の視線は多分冷たく、
まるで帰らなかったらお仕置きと言わんばかりの鋭さである。


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