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【紅い満月】鈴仙奮闘記11【永遠の夜】


[705]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2013/11/11(月) 22:28:18 ID:tfgrelO+
こころ「ねぇねぇ。 私は希望の面を探しているって前にも言ったとおりですけど。一つだけ提案があるのですよ」

鈴仙「提案?」

そんな鈴仙達の感情など知ったことかと、今日のこころは上機嫌に話しかけてくるが。
そんな中、不意に彼女は提案という言葉を持ち出した。
不安定な彼女らしからぬ言葉に、鈴仙はふと耳を傾けてしまう。

こころ「ええ。 私が勝ったら―――」

それを待っていたかの如く、こころはその面を喜びに近い物に変えて(顔は変わっていない)――。
スッ、と鈴仙の傍に居る人物に向かって、ピンとその細く綺麗な人差し指を向ける。

こころ「――私が勝ったら、あの人を新たな『希望の面』にしたいの♪
だって彼の希望は本物。 他人の人気や受け売りじゃあない、本当の感情。
それがあれば、人里も平和になるんですよっ♪」

中山「は――――ハァ!? 俺が!?」

――鈴仙の傍に居る人物。 それはもはやこころ本人を除けば中山しか居なかった。

鈴仙「ちょ――ちょっと! 折角黙って聞いてあげたと思えば、そんな事なの!?
そんなの、許される訳がないじゃない!?」

こころの理不尽で意味不明な要求に対して、鈴仙は耳をワナワナと震わせて怒り。

中山「……こころさん。 希望の感情が何故必要なのかは後で聞くとして。
――そうして得た希望は他人の受け売り。 ――アンタの言う「偽者」の希望になるが、いいのかい?」

中山は冷静ながらも、明確に否定の意を告げる。
こころはそんな二人の言葉が聞こえなかったかのように、
暫く年相応の少女のように楽しげに歩きまわり―――。


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