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【マラカナンで】キャプテン森崎46【釈迦寝ポーズ】
[116]2 ◆vD5srW.8hU
:2014/05/01(木) 00:26:15 ID:EFIEpwVQ
翼と若林もこの夜二人きりだった。彼らは日向達とは異なりチームメイトとの親交が無かった訳ではなく、
むしろ現キャプテンの森崎よりも人望自体は多く集めていると言えるかも知れない。
しかし早くから海外に出てプロになっていた為か、その影響でアジア予選には参加しなかった為か、
なんとなく特別扱いされる事が多いこの二人は今夜は特に誘うまでもなく二人きりになっていた。
翼「…とうとうここまで来たね。ワールドカップの前哨戦のワールドユースの決勝…
そして相手はドイツを倒したブラジルだ。随分とよく出来たシチュエーションだよ」
若林「俺もお前も子供の頃からこういう日を夢見ていた。そして今、それが現実になろうとしているんだ。
思い返せばお前が南葛小に引っ越してきてからの付き合いか。俺達は夢を…叶えたんだよな」
翼「うん。俺も君も有名なリーグのプロ選手になって、日本代表として戦っている…筈なんだけど」
若林「分かる…分かるぞ。夢を叶えた筈なのに、こんな筈じゃなかった…そう思っているんだろう?」
翼「そう、俺は夢を叶えつつある。子供の頃誰に言っても理解されなかったり笑われたりした夢が
段々現実になりつつあるんだ。武者震いはする。喜びもある。だけど…何か、ね」
若林「お前はまだいいさ。俺はサブGKだ。世界一になる瞬間をベンチから見ているってのは笑いそうだぜ」
翼「何なんだろうね、本当に。俺は森崎さえ倒せば全てが解決すると思っていたけど、
実際に森崎に勝っても何も変わらなかったよ。これが大人になるって言う事なのかな?」
若林「これが人生だ。不満なら自力で何とかしろ…そう言える様になるのが大人になるって事だと思うぜ」
翼「ハハハ…明日も勝とうね、若林くん」
若林「精々頑張って点を取れよ。そうしなきゃ森崎がまた何か馬鹿をやらかすぞ」
二人の表情は19歳とは思えない程大人びていたが、それを目撃したのもこの二人だけだった。
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0ch BBS 2007-01-24