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【アツくなる】鈴仙奮闘記15【ウサギたち】


[105]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/02/27(木) 23:40:17 ID:???

奇しくも、中山が今言い放った表現と、レミリアが試合前に鈴仙に小さく呟いた表現は全く同じだった。
鈴仙の抱える問題は、高き誇りと理想を持った存在からしてみれば、一目瞭然の些事であった為である。
しかし、当人からしてみればその問題は依然と大きい。 鈴仙は困り顔を作って中山に告げる。

鈴仙「でも…。 急に言われても無理よ、中山さん。 だって、なんと言われても私は、やっぱり他人からの評価が気になるし、
それを捨ててでも目指したい道っていうのが、良く分からないから」

中山「いや――それでも良いと思うぞ」

鈴仙「…それって、矛盾してないかしら? 他人の評価に縋るのは偽だって言っておきながら、
その他人の評価に縋っても良いだなんて」

中山は、静かに首を振った。
その素振りは、まるで推理小説の探偵のように、どこか楽しんでいるようにも見えた。

中山「…俺は、矛盾していないと思うな。 他者の評価のみを自分の物差しとするのは確かに偽だが。
もしも、そんな欺瞞に気付きつつ、苦悩しながらも――その欺瞞を成し遂げる事が出来るならば、
その人の経験や結果は決して偽りにはならないと思う。 …重要な事は「識る」事だ」

鈴仙「う、うーん……やっぱり、良く分からないなぁ。(良く思うけど、中山さんって本当に16歳なのかなぁ…)」

中山の複雑な物言いに、首を傾げる鈴仙だったが――しかし、中山自身も語る気は毛頭なかったらしく、
そんな鈴仙に対して講釈を垂れようともしない。
しかし、彼は言葉の代わりに……

中山「――俺は、もとより多くは語れない。 語るべき物があるとしたら…こっちだ」

ポムッ……コロコロコロ…。


0ch BBS 2007-01-24