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【アツくなる】鈴仙奮闘記15【ウサギたち】


[428]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/03/09(日) 22:11:57 ID:a4qR9OM6
森崎「(霊夢が練習を始めた事がきっかけ…なのか、これは?
――俺自身も、色々と裏工作はやってたつもりだったが、ここまで集める事は出来なかったぞ…!)」

――そう考えた森崎の霊夢への感情は、怒りを通り越した別の領域に達しようとしていた。
あくまで中立にて縛られない筈の彼女は、様々な立場の者を広く浅く呼び集めている。
この特性は、森崎の知るある人物に似ていた。 そう、それは――。

森崎「(…こういう所まで、まるで翼みたいだ! 小学校の時、あいつが無条件に中心に居たように!
霊夢もまた、無条件に多くの人間や妖怪を――引きよせているというのか!?)」

大空翼。あらゆる面で森崎と反対の性質を持った、全日本の黄金世代の中心人物。
先のJr.ユース大会では、途中退場のアクシデントもあるなど挫折を経験していたが――。
しかし彼は永らく若林とともに、森崎の眼前へと立ちはだかり、無限の才能を振りかざし、
無条件の人望を集め続けていた。その二つは、森崎が渇望しながらも、しかし決して持ち得ない物だった。

森崎「(……俺は、全日本でも敵と味方の区別は大きく付けていた。
だから、支持率は高くとも、俺の事が嫌いな奴は心底嫌いだったろうしな…)」

そして、森崎が翼や若林に勝利したのは、彼らとは別の方法だった。
つまり、他者の努力を一笑に付すまでの途方も無い訓練と、綿密な派閥運営による少数精鋭的な仲間作り。
言ってしまえば小手先の手段でもあるその方法を森崎は極め――とうとう、生まれつきの才能や天運をも覆すに至った。

森崎「(だが。 俺の前に再び翼並みの敵が――いや、下手すりゃ翼以上の天才が現れた…って訳か。 面白ェ)」

森崎は言わば、これまで霊夢を過小評価していた。
翼並みの才能を持ちながら、それを持てあまして自堕落な生活を送っているだけの、
胸糞の悪くなるまでの小物と考えていたが――彼は、その評価を改めざるを得なかった。
彼女もまた、自分の覇道に立ちふさがる……確固たる矜持を持った「好敵手」。

森崎「(だったら話が早い。 俺は、どんな手段を使ってでも――アイツを超えてみせる。
今までがそうだったように、俺がより高みに登る踏み台とさせて貰うぜ、博麗霊夢!)」


0ch BBS 2007-01-24