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【アツくなる】鈴仙奮闘記15【ウサギたち】


[608]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/03/16(日) 01:26:20 ID:Ph9WchIQ
A:いや、このアイテムは重要そうだ。 持っていく!

鈴仙「いやぁ……これは関わらない方が吉かしらね……」

鈴仙は最初、この布切れを捨て去ろうと決意した。
ただでさえ、危険なマジックアイテムが多く眠っている幻想郷において、
わざわざ自分がその一つを掘り起こす必要は無い。
自分だけに危害が加わるのならまだしも、周囲の者から果ては幻想郷一帯にまで悪影響を及ぼすような、
とんでも無いアイテムの可能性もあるのだから……そうした物は、むしろ焼き払ってしまった方が良いくらいだ。

鈴仙「(さっきの声が、付喪神化しつつある布切れの物だったとしても、
彼らは使える物を放置されるのを嫌う訳であって、壊す分には怒らない筈だったから。
ここはせめて、私の弾丸で――)」

…しかし、鈴仙がその布切れを燃やしつくそうと構えたその時。
彼女は再び、その布切れからの声を聞いた。

――まつやまくん……すよう……に…――

その声は、先程の呪詛とは異なって――とても優しく、暖かな声だった。
鈴仙はふとその布切れを手に掴み、その端切れを見ると……そこには赤い糸での刺繍があった事に気づく。

 「I L■■E ■OU」

鈴仙「…英語ね(赤い糸でさりげなく施されているのを見るに、本来の単語は恐らく――)」

後悔、憤怒、失望、絶望で埋め尽くされたその物体には、
しかしそれ以外にも、何か暖かい物を含んでいるように思える。
丁度、泥に汚れながらも鮮やかな赤を保ち続けた、この刺繍の文字のように。


0ch BBS 2007-01-24