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【松山の魂】俺inキャプ森4【はためく鉢巻】


[335]森末(仮):2014/03/12(水) 01:09:27 ID:???
自分の好物がわさビーフであるという事まで知っている少年に、いつしか恐怖を覚える中山。
後ずさりをしながら怯えた様子を見せる中山に、やはり少年は少しだけ寂しさを表情に出したが身を翻し去ろうとした。
最後に言葉を残して。

???「名前は言ってもわからないだろうさ、だから今は何も言わん。
    ただ……中山、俺はこの世界でもお前とまたサッカーがしたい」
中山「………………」
???「そしてお前に"世界"を見せてやる。 こんな小さな世界じゃない、大きな世界を。
    俺はどこでも行ける。 異国で戦争やる事だって、やたら強い女とサッカーするのだって、なんだってな。
    なんならお前がイタリアにいる世界でだっていいぜ。
    色んな強敵と、ワクワクするような、熱い勝負をさせてやる。いや……お前と一緒にしたいんだ」

その言葉は、やはり中山にしてみれば意味不明なものだった。
しかし、やけに耳にこびり付く。
彼の声は、どれだけ恐怖に怯え警戒をしていても中山の心にすっと入ってきてしまうのだ。

???「じゃあな、また会いに来るぜ。 出られなかった筈のJrユース大会、頑張って来いよ!」
中山「あっ……えっ!?」

そして次の瞬間、少年が隣にいた女性の手を取ったかと思うと……。
女性が口を開いた瞬間、瞬く間に彼女たちは"消えてしまった"。
まるで最初から、彼らがいなかったかのように。

中山「……俺は、幻覚か何かでも見たのか?」

正に狐につままれたとしか言いようがないような、そんな出会いであった。
まさか合宿を前にして極度の緊張から白昼夢でも見てしまったのだろうか……。
そんなありえない事を考えてしまう程、中山は混乱をしていた。

新田が待ち合わせ時間のきっかり10分前にやってくるまで、彼はそうして茫然としていた。
そして、新田に指摘をされ、腕の中にわさビーフ(梅味)を抱いている事実に気づき、
彼はようやく先ほどの出来事が現実だったのだと知ったのである。


0ch BBS 2007-01-24