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【高みを目指して】鈴仙奮闘記16【どこまでも】
[259]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ
:2014/04/05(土) 20:05:07 ID:???
E:「その通りよ。 幻想郷は、生まれつき力の強い妖怪や才能のある人間が得をするようになってるの」積極的に肯定する。
日向「ホウ…?」
鈴仙の決然とした語り口に、日向は面白そうに唇を歪ませる。
まるで、それが彼の予想外の発言であった、と言わんばかりに。
鎮守府への帰還途中、日向は鈴仙に対して更に問いかける。
日向「随分と恨み節の籠った言い方だな?」
鈴仙「別に、そんなつもりで言った訳じゃないけど。 …でも、その事実は避けられないと思うわ」
人間が妖怪を畏れるのが常であるように。 妖精が人間から軽んじられるように。
……そして、月や天界の民が地上の民よりも優れているとされるように。
幻想郷では、個人の努力では如何にも覆しきれぬ「壁」が存在しているのではないかと、
最近の鈴仙は考えるようになっていた。
日向はそんな鈴仙の考えをひとしきり聞いた後に…。
日向「――何を言っているんだ。 それは、外の世界でも同じだぞ」
鈴仙「えっ……?」
彼女の考えを、冷酷に否定して見せた。
日向はぶっきらぼうではあるが、しかし普段の暴君振りからは考えられぬ程真摯な態度で、
鈴仙に対して語り始める。
日向「俺は、この世界に産まれ、育ち――そして自らの力で全てを手にしようとして来たが。
俺もまた、世界が俺を封じ込めるべく作成した『壁』の大きさには苦労してきたつもりだ」
幻想郷は、生まれつき力の強い妖怪や才能のある人間が得をするようになっている――。
鈴仙はそう述べたが、日向はそれは幻想郷に限らない、世界の理であると認識していた。
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0ch BBS 2007-01-24