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【高みを目指して】鈴仙奮闘記16【どこまでも】


[424]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/04/10(木) 00:33:31 ID:???

妖夢は、自分の実力について必要以上に思い悩んでいた。
自分のシュートが決まらないたび、吐き気がする程の自己嫌悪と罪悪感に苛まれ、
また、仮にシュートが決まったとしても、次の失敗を夢想して同様の症状に陥る。
自分と似たような友人の成長が、皮肉にも妖夢を追いこんでいた。

しかし、こうして伸び悩む妖夢だったが、最近の彼女は同時にこうも考えていた。

妖夢「(……私、今の環境じゃあ向いていないのかもしれない。 私にはもっと、自分を受け入れてくれて、
自分の成功を伸ばし、失敗を具体的に諭してくれるような、そんな主人が必要なのかも――)」

…今の自分は本当の自分じゃない。どこかに、本当の自分を受け入れてくれる「誰か」が存在し、
そして自分はその「誰か」の下では、思い通りに輝く事が出来るのではないか――と。

妖夢「――って! 何を考えてるの私!? 主に対する忠義を疑う等、我が一族の恥!
こんな辛い時だからこそ、私はやれる事を。 つまりは幽々子様の為に動かなくては……!)」

……もしもその考えに浸る事が出来れば、彼女は幸せになれた筈だが――。
残念なことに、妖夢は真面目だった。ただひたすらに真面目すぎた。
彼女はそう思うたび、自己嫌悪を更に加速させ、従者以外の道を選ぶ自分像を否定する。
仮に、否定された自分像が如何に美しく輝いていたとしても。
妖夢は、泣きそうになる顔を見られないように再びセンターサークルに戻り、
そのままがむしゃらに、実の成らぬ特訓に時間と体力、そして精神を摩耗させる事となる。そして…

紫「(やっぱり、私も、GKとして出てみようかしら。 折角の物語なんだもの、私にだってそれを楽しむ権利がある筈よね。 フフ…)」

チームの様子の一連を覗き見していた紫は……やがて空中から溶けるように消え去っていた。

*西行寺亡霊連合が強化されました。
*中西太一が西行寺亡霊連合に加入している事が判明しました。


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0ch BBS 2007-01-24