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【ロリコン】鈴仙奮闘記20【黄金期】


[623]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/09/02(火) 23:46:48 ID:???

――そして、さとりが語った第二の理由に。
さとりの『心を読む程度の能力』を良く知る地霊殿サブタレイニアンローゼスの一同は、大きく驚愕した。
さとりの事を良く知らない、そして扉一枚隔てている鈴仙にとっては良く分からない事態ではあったが…。
どうやら、さとりの能力を以てしてでも心を読む事が出来ない、という事は非常に重大であるようだ。

さとり「――正確には、彼の心を読む事が出来る。
しかし、私には彼の心の闇しか見えない。 何故なら、その闇があまりに暗くて深すぎるから……。
人の心を一冊の本とすれば。 彼の本は、そのページ全てが、丸々黒く塗りつぶされているみたい」

ヤマメ「成程、そいつぁ確かに面白い話だね。 さとり様、あんたが妹さんの心は読めないってのは知ってるよ。
なんせ、あんたの妹さんはこう見えて常に意識が無い。 要するに心そのものが無いようなモンだからね」

空「だけど、その矢車さんにはこいし様と違って心がちゃんとあるのに。 それを読み取る事が出来ないってこと……?
さとり様は神様だって、幽霊だって、地獄の閻魔様の心だって読める筈なのに……!?」

空の言葉に対してさとりは首肯し――一同は改めて、矢車という男が持つ心の闇の深さを理解する。
つまり矢車は何も、冗談や酔狂で、地獄だの闇だの呟いていた訳ではない。
幼い乳飲み子が母親の名を呼ぶことしか出来ないように、今の彼にはそうした言葉しか考えられないのだ。
勇儀を含めた全員が鎮まる中、さとりは言葉を続ける。


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