※人気投票開催中※
01/17(日)00:00-01/30(土)23:59
第二回鈴仙奮闘記キャラ人気投票
※新板できました※
ダイス創作物語板
ブログ 現行スレ 投票 最新20

1- レス

【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】


[739]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 00:57:28 ID:???
〜回想シーン〜

――あれは幻想郷にサッカーが流行し、地底にも少し間を置いてその余波が届いた頃だったろうか。
この頃には既に例の間欠泉や怨霊騒ぎはひと段落しており、地上の人間の興味が空飛ぶ宝舟に移っていた。
そのため、元々嫌われ者の集まりだった地底の住人を態々気にする地上の妖怪や人間も殆ど消え去っており、
つまりその中でもとりわけ嫌われ者だった地霊殿の一門については、誰からも干渉されない状況が再び続いていた。

さとり「――『その言葉を聞き、少年は少女の事が堪らなく愛おしくなった。 そして……』。
そして……この場合、少年はどう思うのかしらね……」

地霊殿のさとりの私室は、いわゆるお伽噺に出て来る王侯貴族の娘が住む部屋に近いが、
可愛らしい服飾は一切無く、その代わりに本棚が並んでおり、ちょっとした書斎のようにも見える。
誰も近づくこと無い個室で、地霊殿の主たる古明地さとりは一人紙に文章を書き込んでいる。
こうして匿名で行っている執筆活動は、さとりにとって僅かな趣味の一つであり、
是非曲直庁からの補助金(灼熱地獄跡を管理する事に伴う助成金だ)が、
例年削減されつつある中(地獄の沙汰も金に困っているのだ)で、地霊殿の貴重な収入源ともなっていた。
(ちなみに、さとりが匿名で書いた恋愛小説は人里で隠れた人気を誇っており、人間や妖怪の少女を中心に愛読者が結構居たりもする)

さとり「……思いつかないから、書くのは止めて。 お燐からコーヒーでも貰って、読みかけの小説でも読みましょうか」

――とはいえ、永い間旧地獄の中心に立ち続けた地霊殿の権威は今なお健在であり、土地の賃貸による定期的な収入もある。
小説執筆はあくまで趣味の延長の小遣い稼ぎであるため、あまり根詰める必要はないと、
さとりは一旦席を離れつつ、お燐を呼びつけコーヒーを頼み、
天蓋付きのベッドに腰掛けお気に入りの推理小説の続きでも読もうとした時だった。

ドンドンドンドン!

勇儀「おーい古明地! サッカーやろうぜ!!」

さとり「(またですか……鬼の癖に、本当にしつこいわね)」


0ch BBS 2007-01-24