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【光を】鈴仙奮闘記22【掴み取れ!】


[740]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/03(月) 00:59:12 ID:???

地霊殿全体が揺れる程のノック。 そして、二階奥の私室に潜んでいてもハッキリと聞こえる程の大声。
さとりは辟易した様子でベッドから立ち上がり、愛用するハート柄のスリッパを履きながらドアを開けてエントランスに向かう。
相手が相手なだけに、使用人やペットに処理をさせる訳には行かない。 社交的では無いさとりだったが、その程度の常識はある。

勇儀「おっ、来た来た。 頼むよ古明地ィ。 ウチのチームにゃ、お前さんの実力が必要なんだ。
な? 頼むよ、ほら……ことわざで三顧の礼とも言うだろう? 意味は知らんが」

さとり「……とりあえず、三回以上私を訪ねてから諺を引用してください。 貴女が来たのはまだ二回目です。
それとも、貴女はとうとう3以上の数値すら理解出来なくなったのですか?」

勇儀「あん? 馬鹿な事を言う、私だって両手で数えられる分位は理解できるよ。 それ以上はどれも沢山で充分だろうが!」

果たして、迷惑な訪問者は、これまでさとりが書いて来た小説には決して登場しない程の単純さと豪放さを持っていた。
賢しい人間よりはペットの動物に近いため、接しやすいと感じるのも事実だったが、
それでも今自分の目の前に居る星熊勇儀という大女は鬼の中でも取り分け豪放で竹を割ったような性格だとさとりは思った。

勇儀「……まぁ良いや、話を戻そう。 ――どうして、そんなにお前さんはサッカーを。 いや、外に出る事を嫌う?」

さとり「……どうせ私は、地底の妖怪にすら忌み嫌われる覚妖怪ですから。
無意味に外に出て、反感を買いに行くほど私も酔狂では無いというだけです」

勇儀「ふーん。 でも、お前の妹さんは――」

さとり「――こいしの事は、お願いですから言わないで下さい。 あれは、あの子が決めた事ですから……」

勇儀「す、すまん」

妹の話題を口に出しかけた勇儀は、さとりの懇願に対して素直に謝罪し頭を掻く。
基本的に他者への配慮が無い彼女だが、それでも義理人情には厚く、最低限のラインは知っている。
そのため、彼女を慕う地底の荒くれはかなり多いという事もさとりは知っていた。


0ch BBS 2007-01-24