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【Other】鈴仙奮闘記23【World】 


[157]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/19(水) 00:29:07 ID:???
さとり「私は上流階級ですから、見返りは要りません。 働かずとも、土地収入で暮らしていける成金だからね。
――金持ちは良いですわよ、松山君?」

――さとりは茶化すように松山に言ってのける。
それは一見、真面目に彼の質問に答える気は無いようにも見えたが……その実は違っていた。
違っているという事を、松山だけが知り得て――そして、今気付いた。

松山「(違う。 ……もし本当なら末恐ろしいが。
あいつは……気まぐれで俺達を拾ったり、サッカーでオーバーラップをしたんじゃないんだ……!)」

3点目を奪われた直後、さとりは松山にだけ聞こえるようにこう言い放っていた。

    さとり「……私が無謀なオーバーラップをした理由は他にもあります。
        それはね、松山君。 ――私も、笑って貰いたかったからよ……」

松山「(あんな事を言ってくれるのは……兄貴しかいない筈なんだ!
ロングシュートをミスした俺に対して、あんな暖かい言葉を投げかけてくれるのは!
でも、『あの時』の兄貴ですらそう言ってくれなかったのに、あいつは……!)」

古明地さとりは人の心を読む妖怪である。
しかし、松山光という少年を相手取る時に限っては、そんな能力は必要なかった。

さとり「――さぁ、この局面。 11人で防ぎきるのよ……!」

笛が鳴る直前、さとりは小さいが力強い声で宣言した。
――かつての自分のように、殻に閉じこもり他者との接触や変化を嫌う少年を見つめながら。

松山「(――兄貴。 俺は、どうしたら良いんだよぉ……?)」

同じとき、松山は自身の迷いを想像上の兄貴に問いかける事しか出来なかった。
――かつての自分のように、汗をかきながらチームをまとめ上げる少女に戸惑いながら。
そして……。


0ch BBS 2007-01-24