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[452]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/11/26(水) 00:38:09 ID:???
彼の体は一回り大きくなり老けて、短い白髪は少し伸び、何故か着ている服まで丈長の黒コートに変わり行く。
その姿はもはや松山では無く、彼が試合前に採っていた姿――即ち、矢車想のそれだった。

永琳「(極度の解離性同一性障害者は、人格の交代を機にその姿までも変貌すると月の科学書には書いてあったけれど、
私も地上に降りてからだと、実際に見たのは初めてね……。
ただ、彼の場合は人格の交代というよりは、彼にとっての理想的ヒーローという殻の、『装着《プットオン》』と言った方が正確かしら)」

矢車「……はぁ。 満足したか、相棒」

松山(矢車の脳内)「(あにきぃ。 俺はこの試合でやっとわかったよ。 俺には兄貴しかいないって……!
時々イタイ電波女が兄貴の真似して擦り寄って来たけど! やっぱり、俺には兄貴しか……!)」

矢車「……そうか、そうか。 ……最悪だったなァ」

松山(矢車の脳内)「(うんっ、最悪だった! 地獄に相応しいドン底の真っ暗闇だったよ!)」

矢車は一人でボソボソと何かを呟いていた。
まるで、引っ込んでしまった松山と会話を楽しんでいるようだった。

さとり「……松山、君。 いえ、……今は矢車君ですか。 貴方は――」

救護班「――すみません、救護班です! 遅くなってすみませんっ!!」

矢車「……はぁ」

放送「あっと、ここで専属の河童達による救護班が到着したようです!
救護班のリーダー、キャプテンのさとり選手に事業を聞いています。
さとり選手は複雑そうな表情ですが、松山選手――いや、今は矢車選手と化した彼の容体を説明してるようですね」


0ch BBS 2007-01-24