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[905]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/11(木) 00:08:35 ID:JltK0CqY
霊夢「……吹っ飛ばされた子は可哀想だけど、フランも信じらんないくらい狂気を克服しているし。
それに、元が相手チームの反則だとしたら、フランの反則も情状酌量の余地があるって事でイエロー位にして、
その代わりに……えっと、あの岬君ってのをレッドカードにした方が良いんじゃないかしらね?
――私、ぶっちゃけサッカーの反則の基準って良く分からないけど」

霊夢は何時の間にか、審判に対して進言までしていた。
普段の生活では霊夢の立場がここまで特別かと言えばそうでは無いが、
審判を含めた全ての人妖が、今までの幻想郷らしからぬ異変染みた展開に驚いていた。
そのためか、霊夢がサッカーのルール――審判の判断は絶対――を越権して、
こうして真面目な顔でフランへの処遇について指示を出していても、それを疑問に思う者はいない。
……恐らく、霊夢本人すら自身の行為の妥当性について疑っていない。

神子「(むむむ。 八雲紫はプロジェクト・カウンターハクレイ潰しにご執心と聞いていたから、
それを受けて博麗の巫女も我々では無く、ヒューガーの方に行っていると思っていたのに……)」

岬「(――どうやって責任を逃れる? 故意では無かった? ……駄目だ、僕たちは何度も彼女に執拗にタックルへ行っている。
――上司の命令で仕方なく? ……駄目だ、僕の上司は使えない人材は容赦なく切り捨てる。 逆に僕に全責任を負わせて来るだろう。
……くそっ。 僕としたことが、逆に騙される羽目になるとは――迂闊だった)」

――それは、今まさに自身に不利な判断を下されようとしているホウリューズにとっても同じだった。
傍目から見て如何に信じられない展開だろうと、納得をせざるを得ないと感じていた。
――故に。

レミリア「……いや、ちょっと待って霊夢。 それはあんたが決めて良い事じゃあない」

霊夢「……えっ?」

……そんな霊夢に対して口を挟む事が出来たのは、
強大な権力を持ちながらも高潔で、それに溺れる事を何よりも嫌い。
そして何よりも、あらゆる状況においても法と礼節……即ちルールを重んずる貴族の中の貴族。
――紅帝。レミリア・スカーレットただ一人だった。


0ch BBS 2007-01-24