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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[117]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/16(火) 23:45:20 ID:tDklXAvE
して松山は鈴仙と違い、突き抜けて頑なな人物だったらしい。
鈴仙が待ちを決め込んでも、松山は変な奴だと思いこそすれ、動じる様子も表に見せずに何も話そうとしない。
……やがて、暗闇の沈黙の中、数時間が経過しようとしていた。

ぐうっ。

――沈黙の中に、腹の虫が響いた。

松山「…………闇の底には、誰の声も届かない……」

矢車が言っているようなセリフを、まるで神の言葉であるかのように呟き動かない松山だったが……。
――しかし、その腹の虫が松山の物である事は鈴仙にとって明らかだった。

鈴仙「(だって、私のじゃないしね。 ……と、そうだ)……松山君。 お腹でも空いたのかしら?
良かったら、一緒にラーメンでも食べません?」

――鈴仙は意識して明るいトーンで話してみる。

鈴仙「(……そうだ。 私が持ってるこのラーメン。 これを松山君と一緒に食べれば……心を少しでも開いてくれるかも!
――漫画とか読んでても、警察がカツ丼出したら容疑者が吐いたりするし)」

何時の間にか引用文献のレベルが精神医学の書物から刑事漫画になっているが……それは気にしない。
鈴仙は灯りで二種類のラーメンを照らして見せて、これ見よがしに松山に突きつける。

鈴仙「どうかしら? 兄貴塩と弟味噌があるわよ。 何も言わなかったら、私は塩の方を貰うけれど?」

松山「………!」


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