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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[145]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/19(金) 00:04:02 ID:???
さとり「(これは……成程。 前者と後者が混じった、「両方」という事ね……)――鈴仙さん。
貴女はまずハチマキをしまって。 そして、医学的見地から彼に処置をお願いします。
私は能力を応用して、少しでも彼の精神を安定させてみせます……!」

鈴仙「えっ、えっ……! は、はい。 分かりました!
(――ハチマキ……ハチマキ。 ……そう言えば! あのハチマキと松山君には何か関係があるかもしれないって。
そう思っていたんだわ、試合の時の私は……! ――どうして、今の今まで忘れていたんだろう……!?)」

松山が崩れ落ちる声。 さとりがトーンは低めのまま焦りを見せた声。
そして……かつてのハチマキが必死に発していた声。
様々な声を一遍に聞いた鈴仙は、無意識というもやが晴れていく錯覚に陥った。

さとり「(――無意識により行動を制約されながらも、ハチマキに残された強烈な残留思念が、
彼女を更なる無意識に掻き立てていた……、という事かしら)」

それと時を同じくして、古明地さとりもまた思案していた。
憑き物が取れたかのように決然と松山の呼吸と脈を測る鈴仙を見て、
脳内で、自身の立てた仮設の正しさを少しずつ立証していく。
さとりの中で、松山の狂気から鈴仙の登場。 そしてハチマキが持つ力についての意味付けが明確となっていき。

――そんな彼女の思考は、ここで一旦停止された。

さとり「(……流れ込んで来る! ――今まで封じられた彼のトラウマが、私の第三の目を焼き尽くさんと流れ込んで来る!)」

他者の心を読み取り、トラウマを想起させる覚妖怪の能力を逆用し、
他者のトラウマを封印する事で、一時的な精神の安定を図っていたさとりの瞳に、
封印しきれぬ松山の過去が、雪崩のように入り込んで来た。
それは完全に、自身の能力の制御にある程度以上自信を持っていたさとりにとって、予想外だった。

……ブウ……ン。


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0ch BBS 2007-01-24