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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[172]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 17:59:15 ID:WbgK50x2
松山の前に現れたのは背丈の低い少年。
小田は心底愉しそうな声で、松山の肩をポンと叩きながらそう告げた。
そんな小田の態度に反して、松山の態度はどこまでも暗かった。

小田「それは大変だ! 今から探さなくっちゃ!」

松山「……小田。 一緒に探してくれるのか? すまない……ありがとう」

小田「へへっ。 キャプテンが困ってるんだから当然だろ? 俺、今からメンバーを呼んでくる!
(――もっとも、体操服は俺達ふらのメンバーがドブに捨てといたんだけどな。
はぁ。 皆が反キャプテン派だって最初から知っていれば、こうして数の暴力で『出る杭』を撃てたんだけどな)」

松山「(……俺は確かに馬鹿かもしれないけれど、わかる。
小田は――皆は、俺に対して明確な敵意を秘めている。
勿論、先生や警察沙汰になる事を防ぐために、それを表面的にはしないけれど……)」

――何故なら、松山は知っていた。
小田や彼のチームメンバー……果ては、彼の住む地域全体にも広がらんとする自身への悪意の理由を。
それを知ったのは忘れもしないJr.ユース大会、フランス戦の前夜。
皮肉にも他者の感情に無関心な森崎によって教えられた自身の罪。

松山「(藤沢、皆。 ――俺が悪かった……)」

藤沢の想いに気付いてあげられなかったこと。
自身のエゴのみを信じ、チームメイトの真意を全く汲み取れなかったこと。
そうした自責の念が、帰国してからの松山を苦しめていた。

さとり「……と、いう事らしいですよ」ヒソヒソ

鈴仙「傍目から見たらわかりづらいけれど。
括弧で括られている部分を私達が読み取れるってのは、地味に便利ですねぇ。
神の目線で、物語を読み取れるっていうか……」ヒソヒソ


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0ch BBS 2007-01-24