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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[174]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:01:36 ID:WbgK50x2
さとり「――自発的に体中に鎖を巻き付けたり、褒められてるペットの犬猫に嫉妬したり、好きな人に吹き飛ばされて消し飛んだり。
最終的には、ネックレスを強奪した挙句、そのネックレスの副作用でおぞましい虫の怪物になるとかなんとか……」

鈴仙「そ、それは恐ろしいですね……ネックレスがどうとかは意味不明ですけど」

さとりに促されるまま、鈴仙は彼女の小さな手を握り、溢れる暗闇の襲撃から自身の身を守る事に専念する。
ともすると自己すらも喪ってしまいそうな奔流を受けて……やがて、その襲撃は俄かに終わりを告げる。

ブウ……ッン。 ―――――――。

鈴仙「お、終わった……?」

さとり「……そのようですね。 世界はすっかり学校でも無く暗闇ですが……しかし、先程までの混沌とは違った、静かな暗闇です。
私達に危害を加える可能性は、さしあたり無いと断言して良いでしょうか。
そして――ここは松山君の精神のより深層。 恐らく、ここに松山君の本心が隠されていると思います」

辿り着いた先は、一面の暗闇だった。 地面も天井も壁も無い、全くの黒。
光が無いにも関わらず、鈴仙の数歩先に居るさとりの輪郭がしっかりと見えているのが不思議ではあったが、
その時の鈴仙にはそこまで考える余力など無かった。

鈴仙「……兎に角、歩いてみましょうか。 他に手がかりも無い訳だし」

さとり「ええ」

足音も無く、地面を踏んだという感触も薄く、二人は暗闇を進んで行く。
何分、いや何時間。 何メートル、いや何キロメートル歩いただろうか。
時間や距離の感覚までもが薄らいだ頃に――果たして、二人は松山と邂逅した。



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0ch BBS 2007-01-24