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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[178]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2014/12/21(日) 18:07:02 ID:WbgK50x2
さとりはポイと、ポケットから何かを影山へ投げつけた。
鈴仙は影だけと化した松山に近づいて、それが何かを確かめると。

鈴仙「これは確か……姫様も持っていたDVDドラマのケース。 それで、タイトルは……!?」

――それは少年向けの特撮ドラマのようだった。
しかし、鈴仙が目を丸くした理由はそのタイトルやストーリーでは無い。
そこには間違いなく、あの時の試合に出ていた矢車の姿が映っていたからだ。

さとり「……矢車想とは即ち、外界の特撮ドラマの登場人物が一人。
完全調和という崇高な理想を掲げながらも、主人公への嫉妬心に負けてスタンドプレーを行い、仲間を見殺しに。
信頼していたかつての部下にも裏切られた彼は――地獄の戦士として、同じ境遇をなぞった相棒と共に、
物語上の正義や悪に与せず、自身の生きる意味、戦う意味を孤独に問い続ける。
……まさに、今の貴方の境遇にピッタリ。
自分を認めてくれる、見捨てないでくれる……理想のヒーロー像ですね」

影山「そうさ。 そうだよ……! 俺は結局、中途半端なんだ!
自分の罪を受け入れる事も出来ない! だからといって、そんな自分を許し切る事も出来ない!
だから、俺は――兄貴にだけは、受け入れて、認めて欲しかったんだ……!」

さとり「罪を受けるべきと思う自分と、そこから解放されたい自分とのせめぎ合い。
それを認めて貰うために、第二の人格を作り、そうする内に……本来の自分を見失ってしまったのですね……」

鈴仙「…………!(――松山光。 彼もまた、中山さんとは違う意味でストイック過ぎる人物。
だけど彼は、中山さん以上に崇高な理想を持つ一方で、中山さん程強くは無い。
だから彼は、こうして自己を否定する事しか出来なかった! なんて、悲しい話なの……!)」

松山の本心を聞いた鈴仙は、胸を潰されたような気持ちになった。
この地獄の少年が持つ迷いは、そして怯えは。 完全にとは言えずとも鈴仙にとって共感できる。

鈴仙「(私が……私が、今の松山君に対して、何かを言ってあげる事は出来ないのかしら。
――私はさとりさん程松山君と親しくないけれど、それでも、これまで色んな経験をして来た。 何か――何か、言える事は……?)」


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0ch BBS 2007-01-24