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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[662]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/02(金) 00:13:55 ID:???
――単純な資金援助のみで、比較的に自由に経営できていた時は良かった。
しかし日向は、いや、ヒューガーは援助を口実にサッカースクールの株式を買い上げていた。
それにより、サッカースクールにおける吉良の発言力はどんどん失われて行き――。
……気付けば彼はこうして、ヒューガーの一社員として、完全なる日向の下僕と成り果てていた。

吉良「(皮肉な事に、ワシの指導によってきゃつは間違いなく虎……いや。
それよりももっと恐ろしい獣となってしまった。 スポーツ界だけでなく、経済界においても……!)」

未だ少年の身にして、多くの大人が恐れ跪く存在となった日向。
そんな日向を育てた張本人である吉良は、今や彼を正す事すらできずに震えるのみだった。

日向「―――しかし。 折角金を出してやった若林がアッサリ2失点とは、貴方も災難だったなァ?
ハンブルガーの連中が異様な安値で買い叩いてくれた理由も、さもありなんというべきか」

日向の興味は吉良の失敗よりも、若林の不調の方に移っていた。
活躍と出番にこそ恵まれなかったが、若林を一定以上の実力者として認めていた日向にとって、
今日の試合結果は想定外だったらしい。

吉良「……正直、ワシも引きわけか、最悪負けたとしても0−1かと思っていた。
確かにカアザタキ――若林は、コンディション的にムラが大きい。 ……来生相手に失点する位には。
――だが、今回の奴はワシの想像以上に安定しておったよ。
それ以上に、こっちが予想外に多く攻め入られ。 そして――敵のストライカーに一人、強力な奴がおっただけだ」

吉良は先程よりも砕けた口調――かつての監督と教え子の時の口調に戻っていた。
確かに上辺では圧倒的な上下関係があろうとも、
この二人の間にはどこか許し合った雰囲気があるのは事実だった。

日向「……ホウ。 それは星熊勇儀か? 鬼の力なら俺も味わった経験があるが。
確かにアレと互角以上のパワーを持つとされる彼女ならば、若林が敗北するのも――」

吉良「――いんや、違います」


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0ch BBS 2007-01-24