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【深遠なる】鈴仙奮闘記24【蒼きフィールド】


[803]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/01/05(月) 00:11:45 ID:???
藍「………」

宵に光る金色の星。 八雲紫の忠実なる式・八雲藍ただ一人だった。
彼女は偶然にも、彼女の主とその親友との会話を一部始終を聞いてしまっていた。

藍「(最近の紫様は、何時もあんな感じだ。
幽々子様に限らず、自分の理想に反する者を恐れ、怯え……そして、憎悪している。
あのままでは、紫様はいずれ――完全に孤立するだろう。
この幻想郷を守ろうとすればするほど。 あの方は、幻想郷に忌み嫌われ、そして孤立を強いられるだろう……)」

主の忠実な式――機械の如く冷徹に職務をこなすべき藍は、これまで紫の指示の元、色々な事をしてきた。
たとえ疑問に思える事があっても、藍はひたすら紫の命のみを信じて来た。
しかし、今こうして主が偏執し孤立しつつある現在の姿を見た藍は――。
式では無く、独りの妖怪として、紫の境遇を哀れに思っていた。

藍「(式は必ず、紫様の力にならなくてはならない。
しかし”私”は、紫様がこれ以上道を外し孤立する姿を見たくない……!)」

藍は悩む。 式としての使命と、個人としての想いの狭間に。
外界のどのスーパーコンピューターにも負けない思考力を巡らせ、
彼女は自身が取り得る最善の行動を模索する。
そして――彼女は決意した。

藍「(紫様が孤立し、疑心に駆られ動けぬならば――まずは、私が動いてみるか)」

藍は遥か遠く、竹林の生い茂る西の地平を望む。 夜明けにはまだ遠い空に、月が輝いている。

藍「(『プロジェクト・カウンターハクレイ』のキャプテン候補にして。
大会後に紫様が想定している計画・『リアル・幻想・セブン』のメンバー候補――鈴仙・優曇華院・イナバ!
――明日の試合後にでも、私から彼女に接触してみようか……)」

八雲藍はこの時初めて、自らの意思で主の命を超えた行動を行おうとしていた。


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0ch BBS 2007-01-24