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【復活の】鈴仙奮闘記27【N】


[92]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/03/06(金) 22:56:46 ID:yBXqAH6o

タッ。 ……スッ。

そして佳歩はゴール前で足を止めて、ボールを軽く押さえながら前方を見据える。
先程妹紅のシュートに合わせて飛翔した若島津は、既に万全の体勢で戻って来ていた。

若島津「……これ以上は無駄だ。俺が止めてやる」

若島津は長い髪を肩に垂らし、骸のようにそう告げた。
獣のような狂人のようなプレッシャー。彼の黒い瞳を見ただけで、佳歩は本能的な恐怖で一瞬だけ足がすくむ。
――しかし同時に佳歩は、冷静に若島津の動きを分析していた。

佳歩「(……確かに凄い威圧感。今やっているのがサッカーじゃなくって殺し合いだったら、
私は今ごろ3、4回は殺されていた思う。 ――だけど、サッカーだったら……私の方が有利ですっ!)」

ダッ!

佳歩は跳んだ。論理に基づいた思考で、本能にある恐怖を封じ込めながら。

実況「佳歩選手、若島津選手と一対一! 佳歩選手は真っ直ぐに飛び、ゴールを一直線に狙う!
対する若島津選手は幽鬼の如し静謐さを保ちながら、佳歩選手の動きを凝視しています!
両者のにらみ合いは互角! 果たして若島津選手は、この局面を守り切る事が出来るのか〜〜!?」


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