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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[344]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/04/30(木) 23:02:22 ID:???
憑き物が落ちたかのように、早苗は恐らく彼女本来の無邪気で人懐っこい笑顔で鈴仙に語り掛ける。
そこに信仰を奪われた事への恨みや、惨めな自身へのコンプレックスは不思議と感じられなかった。
鈴仙の瞳は、転じて鈴仙が瞳の波長を篭めて放ったシュートは、強烈な狂気を他者へともたらす。
鈴仙はもしかして、自分が早苗をおかしくしてしまったのではないかとドキリとしたが――。

早苗「あっ、ごめんなさい。私ったらつい一人で話し過ぎちゃって。中学の時からずっとそうなのよね。
マイペースだとか、皆とズレているとか言われてて。幻想郷に来てからは、お蔭さまでしんどい事は無くなりましたけど」

鈴仙「……そ、そう(――不思議ね。元の波長から狂ってしまったというよりは、
狂っていた歯車が今ピタリと元の位置に収まったような。そんな感じの、穏やかで楽しげな波長。
もしかしたらこれが、早苗のホントのホントの素の性格なのかしら……)」

鈴仙が落ち着いて観察する限り、むしろ今の早苗の方が正常なようにも見える。
鈴仙は先程早苗の中身が空虚だと思ったが、今は虚ろというよりは、心の中に穏やかな風が吹いて爽やかな印象。
そういえば、いつか旅館内のバーで話した時の早苗もこんな感じだったのを鈴仙はふと思い出す。

鈴仙「(――もしかして、今までずっと、あのうさん臭い神様達にマインドコントロールでもされてたとか?
だとしたら、つくづく人間の考えた宗教って怖いわね……)」

早苗「? どうかしましたか、鈴仙さん? 私の顔になんかついてます?」

スッ……

鈴仙「ち、近いっ!? 近い近い近いっ!」

早苗「あれ? そうですか?」

何となく調子が狂うあたりは前と変わらないな……と思いつつ、鈴仙は異様に顔を近づけまくる早苗を振り払う。
その瞳の奥には、本当に不思議な位に、先程までに感じられた負の感情は消え失せていた。


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