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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[437]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/06(水) 23:50:04 ID:???
はたて「(それにしても……)」

とりわけ。

はたて「(――文のヤツ。一体どこをほっつき歩いてんのよ……。もうすぐ、後半が始まっちゃうじゃない)」

――妖怪の山のキャプテンにして、唯一この絶望的状況を打破してくれる存在が、
ハーフタイム直後から姿をくらましている事が、チームメイト達の士気をことさらに下げていた。

***

−妖怪の山スタジアム 廊下−

射命丸「…………」

射命丸は、紅魔スカーレットムーンズの控室前の廊下をうろうろと歩いていた。
ミニスカートの小さいポケットに手を突っ込んで、所在無げにさまよう姿は極秘取材を想起させる。
しかし、射命丸が考えていた事は違っていた。彼女のポケットの中には一包の薬品があった。

射命丸「(――この私が、通りすがった天邪鬼ごときの甘言に乗ってしまうなんて……!)」
チームメンバーに合わせる顔が無く、だからと言って全てを投げ出して逃げ出す勇気も無く。
ハーフタイムになると、射命丸は控室に入らず「外の空気を吸いたい」と、フィールド周辺をぶらついていた。
その時、彼女は人里でちょっとした騒ぎを起こしているらしい天邪鬼の少女と出会った。
彼女は妖怪の山の幹部連中以上に下卑た笑顔を湛え、射命丸にこう言ってのけた。

天邪鬼「へへへ。天狗サマとあろう者が『案外大したことない』とは、大変でしたなぁ〜。
これはお悔しい! 私はね、貴女のような有能な方がこうした辱めを受けるのが、本当に耐えられないんです!
貴女こそ、本来天狗社会の上に立つべき方! そう! 今こそ下剋上の時なのです!」

その少女は矢印をあしらったスカートをはためかせ、白いブラウスの胸についた青いリボンを揺らし、
あくまで当人なりに清楚さと可愛らしさを演出しているようだった。
……そのあまりに邪悪な表情のせいで、騙される者はどこにも居ないようだったが。


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0ch BBS 2007-01-24