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【早苗】鈴仙奮闘記28【サッカー好きか?】


[494]鈴仙奮闘記 ◆85KeWZMVkQ :2015/05/10(日) 02:28:46 ID:???
魔理沙は自分自身への怒りに体中を熱くしながら、全速力で空を駆けていた。
そうと決まれば、自分のすべき事はひとつしかない。

魔理沙「(駄目だ。もっと……もっと練習しなくちゃ! もっと努力しないと、私は主人公に憧れるだけの、単なる噛ませ犬だ……!)」

鈴仙が中山から多くの事を学んでいたように、魔理沙は森崎から多くの事を学んでいた。
それはこれまでの半年間での積み重ねでもあった。
だから、森崎の真の努力に気付いた魔理沙が、これまでの森崎との会話から新たなシュートを開発するまでに、
それほど多くの時間を要さなかった。……大会当日の早朝の事である。

――カッ!  チュドゴーーーーーーーーーーーーーーンッ!

魔理沙「はぁ。はぁ……出来た!」

暁光により僅かに白みかけた空の下、魔理沙は博麗神社の裏山目がけておもいっきり、その新しいシュートを撃ち放った。
悪友に対するせめてもの報告が必要だと考えたからだ。

魔理沙「これが……私の物語最大最後のシュート。最後の閃光。『ファイナルスパーク』だ……!」

抜け殻のようになった魔理沙は、自分のシュートをそう名付けると、満足したようにその場に倒れる。
人間はどうしようも無く眠くなった時は、機械のように意識が落ちるのだと魔理沙は学習した。
お蔭で、あの脚が千切れるような痛み、間接の骨がゴリゴリと削られていくような嫌な感じを覚えなくて済んだ。

魔理沙「(み……ま……さま。あた……し、やり……まし……た)」

薄れゆく意識の中で、魔理沙はかつての師を思い出す。
彼女はこのシュートを見て感心しているだろうか?それとも、まだまだだと駄目出しをするだろうか?
その時の彼女の顔は――魔理沙には、ぼやけて何も見えなかった。


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0ch BBS 2007-01-24